癌・大腸がん43愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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薬剤師　宇野陽子です

■緩和的放射線病変

骨盤内病変

疼痛・出血などの自覚症状、

QOLの改善を目的とした放射線治療は有効です

45Gy以上の照射で、緩和率は、

疼痛・出血・腫瘍の圧排による症状は　80%以上

神経性症状・滲出液は、50%

泌尿器科的症状　20%

症状緩和持続期間は３～１０ヶ月

骨盤外病変

１）骨転移

抗炎症薬

オピオイド鎮痛薬

癌性疼痛および骨折を軽減する骨代謝装飾薬

放射線療法

インターベンション療法など

疼痛緩和を目的とした場合、

30Gy/10回」、20Gy/5回、8Gy/1回の疼痛緩和効果は同じと言われています

病的骨折・骨折のリスクがある場合、

脊髄圧迫症状、神経因性疼痛がある場合、

長期予後が期待される場合、

１回照射より、分割照射が望ましい

多発性骨転移で、多数の疼痛部位がある場合、

疼痛緩和目的で

ストロンチウム89による放射性同位元素内用療法が考慮される

疼痛緩和率は、60～90%

持続期間は３～６ヶ月

ただし、

血小板減少

白血球減少

貧血　などの有害症状の可能性があるので、

骨髄抑制をもたらす化学療法を予定・施行している場合には慎重に行います

その他、

頚部リンパ節・傍大動脈リンパ節・鼠径リンパ節・縦隔・肺門リンパ節などの

リンパ節転移の症状緩和にも放射線療法が用いられます

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癌・大腸がん42愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■緩和的　放射線療法

□骨盤内病変

骨盤内腫瘍による疼痛、出血、便通障害

などの症状を緩和します

標準体積には症状の原因になっている腫瘍を含めます

線量と分割法

１回1.8～2.0Gy

総線量45～50Gy　照射します

全身症状、病状の程度によって、１回線量を多くして

短期間で照射を終了することもあります

□骨盤外病変

１）骨転移

疼痛の軽減、病的骨折の予防、脊髄麻痺の予防と治療

局所照射では、

30Gy/10回    20Gy/5回　などの分割照射が広く行われています

２）脳転移

全脳照射では、30GY/10回が標準的

長期予後が期待される場合、37.5Gy/15回

ないし、40Gy/20回

定位手術的照射では、16～25Gyを１回で照射します

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癌・大腸がん41愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■放射線療法　外部照射法

照射法：線量と分割法

１回1.8～2.0Gy 　週５回の通常分活照射が一般的

総線量は、

術前照射の場合　　　40～50.4Gy/20～28回

術後照射の場合　　　50～50.4Gy/25～28回　　が一般的

切除不能な肉眼的病変が残存し

小腸などが照射体積内に含まれない場合、

55～60Gy程度まで線量増加することを考慮します

■併用療法

化学療法との同時併用が標準的

併用化学療法は、

5-FU（フルオロウラシル）

Cape（カペシタビン）

■放射線療法　術中照射法

外科的剥離断端陽性、または断端近接で局所制御の向上を目的

治療方法

照射範囲は、断端陽性、近接部位

電子線照射または、高線量率小線源

使用する電子線のエネルギーは

腫瘍の深さに応じて9～15MeV

肉眼的に陽性の場合、15～20Gy

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癌・大腸がん40愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■大腸癌の放射線療法　術中照射

局所再発の原因である

外科剥離面(RM)不足、側方リンパ節に対して

腸管などの周囲正常組織をさけて、

重点的に腫瘍床に高線量を照射できます

■照射法

外部照射法：適応の原則は、骨盤内に放射線治療歴がない事

標的体積には、

原発巣と転移リンパ節（術後は腫瘍床）に所属リンパ節領域を含む

所属リンパ領域として、

直腸間膜（直腸傍リンパ節ふくむ）

内腸骨リンパ節領域

閉鎖リンパ節領域

仙骨前リンパ節領域

腹部の臓器（膀胱、前立腺、子宮、膣）に浸潤する場合には、

外腸骨リンパ節領域も含める

小腸・膀胱の有害な症状の発生を回避する観点から、

３門照射（後方・両側方）又は、４門照射（前後および両側方）が推奨されます

少なくとも、6MV以上のX線発生装置で治療することが望ましい

また、側方からの照射は、10MV以上が推奨されます

読んでくださって有難う！

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癌・大腸がん39愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■大腸癌の放射線療法

１）術前照射

併用化学療法として

5-FU（フルオロウラシル）

Cape（カペシタビン）

の有効性と安全性は同等であるといわれています。

２）術後照射

術後照射の利点は、

深達度pT3(SS/A)以深　又は　pN陽性などの

局所再発の高リスク群を選択して、照射することができること。

術後照射の欠点は、

１．術中の腫瘍細胞の散布を防止できないこと。

２．骨盤底に癒着した小腸に照射され、

消化管に有害な症状がおきる頻度が高くなること。

３．また術後は、局所の血流は少なくなり、

放射線感受性は低くなること。

術後照射は、

術後６～８週までに開始することが望ましい。

術後照射と化学療法との併用は、

有害な症状がおきる頻度が増加するため、推奨されないことが多い。

補助放射線療法　又は、化学放射線療による、

腸管障害の症状として、

１・頻便

２．便意切迫

３．排便困難感

４．便失禁

５．肛門の感覚異常　がある

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癌・大腸がん38愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■放射線療法

直腸間膜全切除(TME)に短期照射する場合

術前照射　25Gy/5回　＋　直腸間膜全切除　と直腸間膜全切除

の場合、５年および１０年生存率は差がないといわれています。

また、術前照射では、性機能低下・腸管障害の頻度が高いといわれています。

術前照射の原発巣に対する縮小効果により、

括約筋温存が可能になることがあります。

腫瘍縮小のための適切な期間

（放射線治療終了後６～８週）をおいて手術することが

望ましいといわれています。

術前化学放射線療法と、術後化学放射線療法では、

５年生存率に差はなかったが、

術前化学放射線療法では、

局所再発率が低く、グレード３以上の有害事象の頻度は低いことが多い。

（腹会陰式）直腸切断術が必要な場合、術前照射群のほうが、

括約筋温存が可能なことが多いと言われています。

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癌・大腸がん37愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■放射線療法

術前照射

術前照射の利点は、

１）手術時の播腫の予防

２）腫瘍への血流が保たれていて、腫瘍細胞に放射線感受性細胞の割合が多いこと

３）小腸が骨盤腔内に固定していないため、消化管への障害がすくないこと

４）腫瘍縮小による、癌の完全切除率の向上

５）肛門括約筋の温存が期待できる

術前照射の欠点は、

早期症例への過剰治療の危険性があること

術後合併症の増加の危険性があること

手術単独に比べ、術前照射併用にて、局所制御率の向上を認め、

30Gy以上の群では、生存率の改善を認めました

１回線量5Gyによる短期照射がヨーロッパでは行われています

放射線の晩期障害は、

１回線量の大きさに影響を受けることから、

肛門機能、腸管障害などを含めた晩期傷害の経過観察が必要。

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癌・大腸がん36愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■放射線療法

放射線療法には、

直腸癌の術後の再発抑制や

術前の腫瘍量減量

肛門温存を目的とした　補助放射線療法

切除不能進行再発大腸癌の症状緩和や延命を目的とした

緩和的放射線療法があります

■補助放射線療法

術前照射・術中照射・術後照射があります

補助放射線療法の目的は、直腸癌の局所制御率の向上

術前照射では、

１．直腸癌の局所制御率の向上

２．肛門括約筋温存率と切除率の向上

術前照射は、

深達度cT3(SS/A)以深　または　cN陽性を対象としています

術後照射は、

深達度pT3(SS/A)以深　または　pN陽性

外科剥離面陽性(RM1)　又は　外科剥離面への癌浸潤の有無が不明(RMX)を対象としています

術中照射は、

外科剥離面陽性(RM1)　又は　外科剥離面への癌浸潤の有無が不明(RM1)を対象としています

照射方法により、外部照射と術中照射に分けられます

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癌・大腸がん35愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法

１）オキサリプラチン

オキサリプラチンを使用する際は、蓄積性の神経毒性に注意する

グレード３の神経毒性に至る前に投与を控える

治療効果が持続している場合には、

フルオロウラシル静注＋ロイコボリンに切り替える

病状が増悪し、神経毒性がグレード１以下になったら、

オキサリプラチンの再導入を考える

２）イリノテカン

イリノテカンを使用する際には、

ジルベール症候群などの体質的黄疸や

血清ビリルビン高値の患者には注意する

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癌・大腸がん34愛知県豊田市　中医学・漢方薬のヘルスファーマシィタカキ大林店　薬剤師　宇野陽子

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■切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法

全身化学療法の適応となる転移部位は、

肝・肺・リンパ節・腹膜・局所などがあります

骨転移に対しては、緩和的放射線療法

脳転移に対しては、手術療法あるいは放射線療法

治療継続時には

全身状態、バイタルサイン、体重、発熱の有無、自覚症状

血液検査結果、尿検査所見、身体所見を確認

治療コースを繰り返す場合には、

蓄積性の有害事象の確認

１．神経障害

２．食欲不振

３．倦怠感

４．下痢

５．皮膚症状

６．味覚障害　など

必要であれば、全治療・原因薬剤を中断して回復を待つ

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